Tabla Tarang
Indian Classical Vocal Music & Tabla
印度古典声楽とタブラ(北印度打楽器)


タブラってどんな楽器?
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タブラの演奏法

 タブラは北インド音楽に使用される打楽器で、最もポピュラーなものの一つです。

これは古典音楽から民謡まで、様々な種類の音楽で演奏されています。古典音楽においては声楽、器楽、ダンス、すべての伴奏に使用されます。その他、フォーク民謡、ガザル、ポピュラー音楽等、幅広く使用されています。それに対しタブラの南インドでの使用は非常に稀です。南インドでは“ムリダンガム Muridangam”=両面太鼓の使用が一般的です。

「タブラ」というのは総称で、これは2つの部分から成っています。? 小さい口径のタブラTablaと、? 大きい口径のダッガ DagDaggagaDagga。 ?タブラは多くが右手で演奏され、?ダッガは左手で演奏されます。

1)タブラ Tabla

これは、筒状で木製の胴(材料にはシーシャム、ニームといった木が使用される)の中身を半分ほど削りだし、その一番上の口の部分に、薄くなめした山羊の皮を張り、革紐で固定した打楽器。タブラは片面だけに皮を持ち、その特徴として皮の中心の部分に米、麦、等の穀物粉と粉末砂鉄(マンガン)を混ぜた物を塗りつけてあります。これを スャヒ Syahiといいます。そのスャヒが重量となって、皮の振動を増幅する構造になっています。

そしてタブラの大きな特徴として、音の調律があります。タブラは合奏する他の声楽や楽器に合わせてその基礎音となる音(サ)や4度音(マ)、5度音(パ)に調律されます。

タブラの大きさは、高さ10〜11インチ、口径は様々ですが一般的には5〜6インチ程です。タブラはインドゥイ Indwiと呼ばれる輪の上に置いて(一般的にはガッダ=座布団とも呼ばれる)、主に右手で演奏されます。

2)ダッガ Dagga

これは多くは金属製の鉢のような形をした胴体にこれも前述のタブラ同様薄くなめした山羊の皮を張り、布紐ないしは皮紐で固定した打楽器。これも片面だけに皮が張ってあり、スヤヒ Syahi が皮のこちらは中央ではなく、少し端に塗りつけてあります。

ダッガに関しては音の調律はされません。こちらは演奏する際に手首で皮を押して音程を変える事が行われます。

ダッガの高さはこれもやはり10〜11インチ、口径は大体9〜10インチ程です。ダッガもインドゥイと呼ばれる輪(こちらも多くはガッダ)の上に置いて、主に左手で演奏されます。その為、ダッガは時に“バヤン=Bayan=左”とも呼ばれます。

タブラの起源

タブらの起源は一般的にはインド中世時代、当時のムガル帝国を支配していた、アラウッディン キルジーAllauddin Khiljiの宮廷音楽家であったハズラト アミール クスロー Hazrat Amir Khusro(1253−1325)がそれまで北インド打楽器の主流であったパカワジ Pakhawaj(筒状の胴体の両面に皮を張った太鼓。片面は小さく調律し、もう一方の面は大きく調律はしない。)を2つに切断して、それぞれを立てて演奏したのが始まりだとされています。

しかし最近の研究では1735年、モハンマド シャー ランギーレMohanmad Shan Rangeele(1719−1747)のムガル帝国統治下、彼の宮殿にラーマン カーン Rahman Khan という有名なパカワジ奏者が居り、彼の息子にやはりアミール クスロー Amir Khusroという同名の人物がいました。こちらはサダランングからカヤル様式の声楽を習っていたのでしたが、その彼がカヤル様式の伴奏の為に、より演奏しやすい打楽器を発明したのがタブラの始まりという説があります。 その他にも、サダラング(本名 ニヤマット カーン)の息子の一人に、クスローカーン Khusro Khan という人物がおり、それがタブラの発明者だという説もあります。


タブラのガラナ Gharana(流派)

歴史的にタブラの技法を始めて確立した人物は シダル カーン Siddar Khan といい彼はパカワジの符号を基にタブラの符号を考案し、世に紹介しました。

それはムガル帝国(デリー)で発祥しました。そしてタブラの演奏技法、符号が、アジララ、パンジャブ、ラクノウ、ファルカバッド、バラナシなどの地域に伝わっていき、それぞれの土地で定着、独自の発達をしてガラナ(流派)を創りました。タブラは17−18世紀に流行したカヤル様式やトゥムリ様式の伴奏に適した打楽器でカヤル様式がそれまでのドゥルパド様式にかわって北インド古典音楽の主流になると共に多くの人に演奏されるようになりました。そして後にはタブラの独奏も人気を得るようになりました。

 以下タブラのガラナ(流派)を紹介していきます。

1)デリーガラナ Delhi Gharana

デリーガラナの創始者は前述した シダール カーンSiddar Khanです。

彼の孫にあたるモドゥ カーン Modu Khan 、バクシュ カーン Bakhshu Khan の二人は後にラクノウに移りラクノウガラナの開祖になりした。

この流派のタブラ奏者には歴史に残る名人ウスタッド アーマッド ジャン ティラクワ

Ustad Ahmad Jan Thirakwa がいます。彼はタブラの独奏を世の中に知らしめた始めての人物でしたc)?Dhina G力強い演奏のパランParanなどは演奏しない。

■デリーガラナのカイダ

Dhati Dhage Nadha Terekete Dhati Dhage Tina Kena
× 2
Tati Take Nata Terekete Dhati Dhage Dhina Gena
0 3

2)アジララガラナ Ajirada Gharana

デリーの近郊にメールートという都市がありその中にアジララという名前の村があります。

その土地でこのガラナは発祥しました。開祖は当時のデリーの有名タブラ奏者シターブ カーンに師事した、カルー カーン Kallu khan,と ミルー カーン Miru Khan の兄弟です。彼等はアジララ村の出身で、シターブ カーンに師事した後、自分達の村に帰り、このガラナを確立したのでした。

アジララガラナの特徴は前述のデリーガラナとほぼ同じです。こちらもデリーガラナ同様、

ソフトできれいな音質のスタイルです。それ以外の特徴とし等の符号が多く用いられる。トは<

 

■アジララガラナのカイダ(アディラヤ=3拍子)

Dha s Dha s Dha s GenaDha s Gena DhaTrak Getete Genati Nagena
× 2
Dhatrak Getete Gena s Dhagena Dhatrak Getete Genati Nagena
0 3
Ta s Ta s Ta s Kenata s Kena Tatrak Tetete Kenati Nakena
× 2
Dhatrak Getete Gena s Dhagena Dhatrak Getete Genadi Nagena
0 3

3) ラクノウガラナ Lucknow Garana

デリーガラナ開祖、シダール カーンの2人の孫、モドゥ カーンとバクシュ カーンはデリーの宮廷からラクナウの皇帝の宮廷へと送られ、そこで彼等はデリーのスタイルとは違ったスタイルの流派を確立しました。ラクノウはカタックダンス Kathak Dance の発祥の地でもありこのガラナはダンスの伴奏と共に独特の発達をしました。

ラクノウガラナの特徴

a) デリーガラナに比べて、ロヴ Lov(タブラの中間、スヤヒの境目の部分)の使用が多い。なオープンサウンド。

■ラクノウガラナのカイダ

Dhage Tete Dhage Terekete Dhina Gena Dhage Tete
× 2
Dhage Nadha Terekete Dhete Dhage Terekete Dhina Gena
0 3
Tage Tete Tage Terekete Tina Gena Tage Tete
× 2
Dhage Nadha Terekete dhete Dhage Terekete Dhina Gena
0 3

4) ファルカバドガラナ Farukkhabad Garana

このガラナはラクノウガラナの影響を強く受けています。ファルカバドはラクノウから

100km程離れた街で、このガラナの創始者はウスタッド ヴィラヤットアリ カーン Ustad VilayatAli Khanです。彼はラクノウガラナの創始者、バクシュ カーンの娘と結婚し、バクシュ カーンからタブラを習得しました。その家系からは有名なタブラ奏者を多く輩出しました。フセイン アリ カーン、ケラマト ウラ カーン、サビール カーン 等。 

ファルカバドガラナの特徴は

a)?|)? ぺシュカール、カイダ、レーラ等が営)? ラウ、ガットなども有名な特徴

d) Dhage,  Tete, Gadi, Gana, Dhiranag等の符号が多く用いられる。

■ファルカバドガラナのガット(アディラヤ=3拍子)

Dha s s Genaka Takita Genaka Dhaterekete Dhatete Genaka Digina
×
Nagina Nagina Takita Genaka Dhaterekete Dhatete Genaka Digina

5) バラナシガラナ Varanasi Garana

ラクノウガラナの開祖、ウスタッド モドゥ カーン の弟子であった、パンディト ラム サハイ Pandit Ram Sahai は12年間ラクノウに住みタブラを習得し、その後自分の故郷であるバラナシに戻り、バラナシガラナを確立しました。

そして、彼の家系からは バイラウ サハイ、バルデウ サハイ、ドゥルガ サハイを輩出し、その他、カンテ マハラジ、グダイ マハラジ(サムタ プラサッド)、パンディット アノケ ラル、そd)? タップ、ロヴの使用、DhereDhere,Dhetedhete,Kran,■バラナシガラナのトゥクダ

Dhage Tete Tage Tete Dhage dhin Nage Tete
× 2
Dhete tage nNa dhet Tage nNa Dhet Ta s
0 3
Terekete Dhet Tage nNa Dha Terekete Dhet
× 2
Tage nNa Dha Terekete Dhet Tage nNa
0 3

6)パンジャブガラナ Panjab Gharana

前述したガラナ(流派)はすべてが他のガラナとの関連があったのに対し、パンジャブガラナはそのどれとも関連がなくまったく独自の発展をとげました。このガラナの開祖はフセインバクシュ Husain Bakhshという人物で彼とその息子ファキールバクシュFakir Bakhshは音楽学者でした。その後このガラナからは世界的に有名になったウスタド アラ ラカ Ustad Allah Rakkhaそしてその息子のウスタド ザキール フc)? DhaDhi,Na−ra,Dhara−na,kraDha−na,等の符号がタブラの符号(音名)

タブラの各音にはそれぞれ名前=符号があります。それはタブラ(小)に6つ、ダッガ(バヤン)に2つ、両方合わせたもので2つ、計10個です。それらの符号を組み合わせて、タブラのリズムパターン=compositionが作られています。以下それぞれの符号を紹介していきます。

タブラ Tabla

a)Ta 又は Na

b)Ti 又は Tin

c) Din 又は Thun

d)Tun 又は Tu

e)Te

f)Re

ダッガ(バヤン) Dagga(Bayan)

a)Ge

b)Ke 又は Ki 又は Kat 又は Ka

両方

a) Dha

b) Dhin

これらはタブラのアルファベットないしはタブラ語といっても良いかもしれません。インドにおいてはこれらの符号の事を“ボールBol”と呼んでいます。ボールとは「言葉、言う」の意味があります。実際にタブラを練習する方法の一つにそのリズムパターン=compositionを発音(発声)するというのがあります。この発音することをヒンディー語で“パダントPadhant”と言います。

タブラの調律(チューニング)

タブラ(小さい方)は他の楽器の伴奏をする際、普通はそのメインの楽器の基音=Saに調律されます。そして時には基音に対して4度=Ma、または5度=Paにも調律されることがあります。ダッガに関しては特に調律はしません。

タブラの調律の仕方は? 上部円形皮(=プーリーPoori)の一番外側の部分(=ガジラGajra)をハンマーで叩く。? 胴体側面の革紐(=バッディBaddhi)に設置してある円柱形の木片(=ガッタGatta)を下のほうに下ろして張力を強め音程を上げる、乃至は上に上げて張力を弱め音程を下げる。? 革紐(バッディ)を木片(ガッタ)の上に引き上げて、張力を強め音程を上げる、乃至は革紐(バッディ)を木片(ガッタ)から外し張力を弱めて音程を下げる。音程の変化は?から?にしたがって大きくなります。


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