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Indian Music
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ただいま工事中です。 インド音楽と西洋音楽とのいちばん大きな違いは何でしょうか? それはインド音楽には基本的に和音(コード)が使用されないということです。 したがって西洋音楽が多種多様な楽器を使って演奏される、オーケストラが あるのに対し、インド音楽はメインの演奏者の他にリズムを奏でる打楽器奏者の 二人が最小のユニットになります。声楽の演奏の場は、歌の旋律をフォローし、 残響的効果の役割をする楽器伴奏者が一人から二人、打楽器奏者、そして基本音階を 奏でるタンプーラ奏者が付きます。その他、器楽の演奏の場合もタンプーラ奏者が一人 か二人,それに打楽器奏者が付く程度の編成でおこなわれます。 西洋音楽がハーモニーを使って音の旋律を美しく装飾しているのに対して、インド 音楽は単音を装飾する様々なテクニックが考え出されました。 インド音楽の2つの柱 インド古典音楽において最も重要な要素が2つあります。それはスワル=音と ラヤ=リズム(スピード)です。インド古典音楽にはメインの演奏者とその伴奏 をする打楽器奏者が必ず必要です。打楽器奏者は決められた拍数、符丁を繰り返し 演奏し、その演奏にあわせてメインの演奏者は、そのラーガのバンディッシュ つまり作曲されたメロディー、そして即興演奏を展開していくのです。 繰り返されるリズムサイクルの第1拍目をサムSamといい、それが最も重要な 拍になります。インド音楽の演奏者は常にこのサムSamを意識しながら複雑な リズムパターンのメロディーを駆使していき、演奏の区切りはかならずサムSamに 帰結します。これがインド音楽の醍醐味ともいえます。 インド音楽の音階 西洋音楽における音階名とインド音楽の音階名とは異なります。 西洋音楽の全音階名は、 C D E F G A B ないしは ド レ ミ ファ ソ ラ シ です。 それがインド音楽では
Sa Re Ga Ma Pa Dha Ni となります。 サ レ ガ マ パ ダ ニ
このサレガマパダニは省略した呼び名で正式には
そしてこれらの音階は“スワルSwar”と呼ばれます。スワルには以下の3種類が あります。 (1)シュッダ Shuddha(2)コマル Komal(3)ティブラ Teevra
(1) シュッダ スワル Shuddha Swar これは長音階の音の意味で、英語ではメジャースケールMajar Scaleの事。 C D E F G A B=ド レ ミ ファ ソ ラ シ =Sa Re Ga Ma Pa Dha Ni
(2) コマル スワル Komal Swar これは短音階の音の意味で、英語ではマイナースケールMinor Scaleの事。 D♭ E♭ A♭ B♭=レ♭ ミ♭ ラ♭ シ♭=Re Ga Dha Ni の半音下がりの音の事。Re Ga Dha Ni
(3)ティブラ スワル Teevra Swar これは唯一、F=ファ=マ Madhyamに適用されるもので、半音上がりの音の意味で、英語ではシャープノートSharp Note。 F♯=ファ♯=Ma?
以上述べてきたことを総合しますと、1オクターブ(Cから上のCまで)の中には 12音階があることになります。つまり、 C D♭ D E♭ E F F♯ G A♭ A B♭ B = Sa Re Re Ga Ga Ma M?a Pa Dha Dha Ni Ni です。
注:コマル音の表記は音名の下に線が入り、ティブラ音は音名の上に縦線が入ります。
インド音楽においては全音階の事をサプタクSaptakと言い、低い音の全音階をマンディラ.サプタクMandira Saptak、普通の高さの全音階を、マディヤ.サプタクMadhya Saptak、高い音の全音階をタール.サプタクTaar Saptak、と呼んでいます。 ラーガ Raga ラーガという言葉はサンスクリット語の“ランジャRanja”から派生しました。 ランジャとは“喜び”ないしは“心地がよい”という意味があります。それ以外にも “ラングRang”(色彩、楽しさ)から派生したという説もあります。ラーガも精神 (気持ち)に喜びを与えるものです。そしてラーガを音楽的に定義すると ラーガとは“スワル 音”と“ヴァルナ 様式”の音色の優美さによって発生する 美(芸術)であり、それは聴く人の心に喜びを与えるものである。一般的な解釈は、 音楽的な音の配列(連続した音の群)が耳に心地よく響き、音楽に対しての人の望みを 満足させるものである。 技術的にラーガを定義すると ラ−ガとは特定の音の上昇、下降を持った作曲、即興演奏の為の規則である。各 ラーガには特有のフレーズ(メロディー)があり、それがそれぞれの特徴になっている。 ラーガを英語に訳すなら“MelodyType“という言葉が最も適当である。 ラーガを構成するうえで必要な要素は、?特有の音の組み合わせ ?“スワル 音“ と“ヴァルナ 様式”の存在 ?美しさ(ランジャクタ)です。
この“ヴァルナ Varna”というのは演奏、歌、の様式ないしは施法の事で、 連続した音の順列秩序を表しています。ヴァルナには4つの種類があり、それらは (1)スタイヴァルナ (2)アロヒヴァルナ (3)アワロヒヴァルナ (4)サンチャリヴァルナです。 (1) スタイヴァルナ Sthai Varna 同じ音(程)を繰り返して演奏すること。 例:Sa Sa Sa Sa Ga Ga Ga Ga (2)アロヒヴァルナ Arohi Varna Sa(C)から始まりNi(B)までの上昇する音程を演奏すること。 例:Sa Re Ga Ma Pa Dha Ni (3)アワロヒヴァルナ Awarohi Varna Ni(B)からSa(C)までの下降する音程を演奏すること。 例:Ni Dha Pa Ma Ga Re Sa
(4) サンチャリヴァルナ Sanchari Varna 前記したスタイ、アロヒ、アワロヒヴァルナを混ぜ合わせて演奏すること。 例:Sa Re Sa Re Ga Ma Pa Dha Pa Ma Ga Ga Ga Ma Pa 次にランジャクタ Ranjaktaとは、美しさないしは音楽的な価値を 表しています。無秩序な音の配列は音楽的な価値がありません。例えば、 Ga Ni Re Dha Ga Ma S?a Pa Re Ga Ni これらの音の組み合わせは連続もしておらず、メロディーともいえず、美しい とはいえません。こういったものをランジャクタがあるとはいえないのです。 ラーガの一般的原則 (1)ラーガはタータ Thataから派生している。 (2)ラーガは音の上昇、下降に決まった順序を持っている 例:Sa Re Ga Pa Dha S?a 上昇 S?a Dha Pa Ga Re Sa 下降 (3)ラーガは最低でも5つの音から構成されている。 (4)ラーガにはSa(C)の音が欠けることはない。 (5)ラーガには同じ種類の2つの音が連続してあってはならない。 つまりGa(E) Ga(E♭)が連続して使用されない。 しかしいくつかのラーガに例外が存在している。 (Raga Lalit等) (6)ラーガにはMa(F),Pa(G)が2つ同時に欠けることは ない。少なくとも2つのうちどちらかが存在する。 (7)ラーガにはかならずワディスワル Vadi Swarが存在する。 ワディスワルはそのラーガの支配的な音である。言い換えると ワディスワルはそのラーガを構成する音の中で最も強調される、 その曲の核となる音である。 (8)ラーガにはワディスワルとともにサムワディスワルSamVadi Swarが存在する。サムワディスワルとはワディスワルと協和する 音で、ワディスワルに対して4度ないしは5度の音がそれに相当する。 例:仮にSa(C)がワディスワルの場合サムワディスワルにはMa(F) ないしはPa(G)が相当する。Ga(E)がワディスワルの場合は サムワディスワルはDha(A)ないしはNi(B)。 (9)ワディスワルに対して不協和の音ヴィバディスワルVivadiSwarも ラーガの中で非常に控えめに使用される。これはラーガの美しさを引き出す 為である。しかし、この不協和音は適切な使用をしないとまったく逆の効果 をもたらしてしまうことがある。 ジャーティ Jati(ラーガの分類1) ヒンディー語のジャーティの意味は種族、種類などです。ラーガはその使用する 音の数によって3つの種類に分類されています。 その3種類とは (1)オダワジャーティラーガ Oudava JatiRaga (2)シャダワジャーティラーガ Shadav JatiRaga (3)サンプルナジャーティラーガ Sampurna JatiRaga (1) オダワジャーティラーガ Oudava JatiRaga ラーガが音の上昇下降ともに5つの音を使用して構成されているもの。 英語ではペンタトニックスケール(Pentatonic Scale) (2)シャダワジャーティラーガ Syadava JatiRaga ラーガが音の上昇下降ともに6つの音を使用して構成されるもの。 英語ではヘクサトニックスケール (Hexatonic Scale)
(3)サンプルナジャーティラーガ Sampurna JatiRaga ラーガが音の上昇下降ともに7つの音を使用して構成されるもの。 英語ではヘパタトニックスケール (hepatatonic Scale) しかしラーガによっては音の上昇には5音を使い、下降には6音を使うものや 音の上昇には6音を使い、下降には7音を使うものなど、様々な取り合わせが あります。これらはオダワ−シャダワジャーティ、シャダワ−サンプルナジャーティ というように呼ばれます。これらを総合すると、ジャーティは全部で9つになります。 (1)オダワ Oudava ?オダワ−オダワジャーティ Oudava−OudavaJati=5音−5音 ?オダワ−シャダワジャーティOudava−ShadavaJati=5音−6音 ? オダワ−サンプルナジャーティOudava−SampurnaJati =5音−7音
(2)シャダワ Shadava ?シャダワ−シャダワジャーティ Shadava−shadavaJati =6音−6音 ?シャダワ−オダワジャーティ Shadava−OudavaJati =6音−5音 ?シャダワ−サンプルナジャーティ Shadava−SampurnaJati =6音−7音 (3)サンプルナ Sampurna ? サンプルナ−サンプルナジャーティSampurna−SampurnaJati =7音−7音 ? サンプルナ−オダワジャーティ Sampurna−OudavaJati =7音−5音 ? サンプルナ−シャダワジャーティSampurna−ShadavaJati =7音−6音 タータ Thata(ラーガの分類2)
インド古典音楽においては1オクターブの中に12音のスワルが認められていて、 それらは Sa,Re,Re,Ga,Ga,Ma,M?a,Pa,Dha,Dha,Ni,Ni です。タータはこの12音を組み合わせたもので7音(全音階)のことをいいます。 これら7音の組み合わせは数学上では72通りのタータが算出されますが、実際に ラーガを構成する為のタータはそのうち10通りが認められています タータは、それまではっきりとしていなかった、各ラーガの音階における分類をする 為に考案されたもので、様々な音のバリエーションによって構成されているラーガの 使用されている音階だけをとりあげて、10タイプに割り当てたものです。したがって そのタータに分類されているラーガが、タータに指定された音階だけを使って構成され ているとは限りません。そうした理由で、音楽学者によっては同一ラーガを他の学者とは異なったタータで分類している場合もあります。 タータの要素 (1) タータは7音から構成されている (2)タータは連続した音階から成る (3)タータの名前はそれぞれのパターンの代表的なラーガからつけられている。 以下、10のタータ名とその音階
例えばラーガ ビハーグRaga Bihagの場合、音上昇(アロホAroh)は Sa Ga ,Ma Pa ,Ni ,S?a 音下降(アワロホAwaroh)は S?a Ni Dha Pa ,M?a Pa,Ga Ma Ga ,Re Sa となり、中世の時代ではこのラーガにおいてティブラ Maの使用は、ヴィバディスワル と同じ扱いで非常に少なかったのですが、現代に入るとシュッダ Maと同等に使われる ようになりました。ということはラーガ ビハーグには2つのMaが存在することになり、 以前は、使用する音階がすべてシュッダスワルと言う理由から、ビラワル タータに属していると考えられていましたが、現在ではティブラ Maの使用によって、カルヤン タータにも属していると考えられています。 別の例をあげると、ラーガ ジョグRaga Jogの場合、アロホArohは Sa ,Ga Ma ,Pa ,Ni S?a アワロホAwarohは S?a Ni Pa ,Ma Ga Ma ,Ga Sa と、なりますが このラーガはカマージ タータに分類されています。事実、音階だけを取り上げて考えて みますと、コマル Gaそしてコマル Niが使用されている点から、カフィ タータに 属しているとも思われますが、実際の演奏ではコマル Gaの使用は音下降、アワロホ Awarohだけに限られており、使用頻度も少ないことから、シュッダ Ga、優先で このラーガはカマージ タータ所属になっているのです。 プールヴァ ラーガ P o o r v a R a g aと ウッタル ラーガ Uttar Raga 北インド古典音楽では、ラーガを前述のジャーティとは別に2種類に分類しています。 分類の方法として1つはそのラーガが演奏される時間帯によるもの そしてもう1つは そのラーガのワディスワル(最も強調される音)によるものです。 ?時間帯による分類 インド音楽学者は1日の24時間を12時間ずつの2つの時間帯に分けて考えました。 1つは昼の12時から真夜中の12時まで、そしてもう1つは真夜中の12時から次の 日の昼12時までです。そして、 (1) 昼の12時から真夜中12時までの間に演奏されるラーガをプールヴァ ラーガ と、いいます。 (2)真夜中12時から次の日の昼12時までの間に演奏されるラーガをウッタルラーガ と、いいます。 プールヴァンガワディ ラーガ Poorvangawadi Ragaと ウッタランガワディ ラーガ Uttarangawaadi Raga ?ワディスワルによる分類 1オクターブの音階(Sa Re Ga Ma Pa Dha Ni S?a)を 低い音階4音Sa Re Ga Maと高い音階4音Pa Dha Ni S?a の2つに分けて考え、そして、 (1)ワディスワルが低い音階(Sa Re Ga Ma)のどれかに当てはまるラーガ をプールヴァンガワディ ラーガと、いいます。 (2) ワディスワルが高い音階(Pa Dha Ni S?a)のどれかに当てはまる ラーガをウッタランガワディ ラーガと、いいます。 そしてプールヴァンガワディ ラーガは通常昼の12時から真夜中12時の間に演奏され、 ウッタランガワディ ラーガは通常真夜中12時から次の日の昼12時までの間に演奏 されます。 しかし現代の音楽学者は プールヴァンガワディを、SaからPa、そしてウッタランガワディをMaからS?aとして認識しています。その結果Ma、Paがプールヴァンガ、ウッタランガ両方に当てはまるということになっています。 ラーガの演奏時間 インド音楽の特徴の1つとしてラーガの演奏時間割、つまり演奏時間を決定する原則、 があげられます。この時間原則は古代から伝わっているもので、インド音楽学者のすべてがこれを承認しています。長いインド音楽の歴史の中で、この原則はいつも固く守られてきました。演奏家はその演奏する時間帯によって、原則に定められたラーガを演奏してきました。それは、その時間帯に割り当てられたラーガが聴衆に最も感銘を与えることができると考えられているからです。しかし時代は変わり、音楽を演奏する環境も変わりました。昔は皇帝、王族等の限られた人の為に演奏することが多かったわけですが、現在は コンサートホールなど、大勢の聴衆の前で、限られた時間内に演奏することが多くなり ました。その為に現在では時間割の原則は厳密には守られなくなっています。しかし多くの演奏家がそのときに演奏するラーガを決めるときには、この原則を参考にしています。 ラーガの時間原則を理解する為に、前述した“ラーガの10のタータ”(メロディタイプ) を思い出す必要があります。それらは、1ビラワルBilawal,2カルヤン Kalyan,3カマージKhamaj,4バイラワBhairav,5プールヴィ Poorvi,6マルワMarwa,7カフィKaphi,8アサワリAsawari, 9バイラビBhairavi,10トディTodi,です。そしてこれら10のタータは 3つのグループに分類されます。 ? Re(D)、Dha(A)、が長音階(シュッダスワル)のラーガ。これらは1ビラワル 2カルヤン、3カマージ、タータに属するラーガが当てはまります。 ?Ga(E)、Ni(B)、が短音階(コマルスワル=♭)のラーガ。これらは7カフィ 8アサワリ、9バイラビ、10トディ、タータに属するラーガが当てはまります。 ?Re(D)、Dha(A)、が短音階(コマルスワル=♭)のラーガ。これらは 4バイラワ、5プールヴィ、6マルワ、タータに属するラーガが当てはまります。 そして、それら???のグループは以下の表のように演奏時間が割り当てられています。
表は午前午後共通です。 以上のようなラーガが1日24時間の中で午前と午後2回演奏されるわけです。 そして特に午前、午後の4時から7時までの時間はサンディ プラカーシュ サマイ (Sandhi Prakash Samay)と呼ばれています。 サンディ プラカーシュ サマイとは、 サンディ(出会う、いっしょになる)、 プラカーシュ(光)、サマイ(時間)の意味どおり、闇夜から光が差して太陽が昇る 時間、そして、太陽が傾き、光がかげり闇に包まれる時間のことをいいます。 言い換えれば、“光と影が出会う時間”、と言うことができると思います。 この時間にはRe、とDha、がコマルスワルのラーガ=バイラワ、プールヴィ、 マルワ、タータに属するラーガ、が演奏されるわけです。 詳しくいいますと、午前4時から午前7時までに演奏されるラーガにはRe レ コマル Dha ダ コマルの音が一度に両方欠けることはありません。そして、午後4時から 7時までに演奏されるラーガにはレ コマル、ダ コマル、の他に、Gaガ シュッダ 、Niニ シュッダ、の音の両方ないしはどちらかが必ず含まれています。 その後、午前、午後7時から10時までの間はRe レ シュッダ、Dhaダ シュッダ スワルのラーガ=ビラワル、カルヤン、カマージタータに属するラーガ、が演奏されます。 次いで、午前、午後10時から4時の間はGaガ コマル、Niニ コマルスワルの ラーガ=カフィ、アサワリ、バイラビ、トディタータに属するラーガ、が演奏されます。 (Niに関しては、シュッダ、コマル両方とも可能。) そしてそれぞれのラーガは前述したプールヴァンガ ワディ スワル(Sa,Re,GaMa)、ウッタランガ ワディ スワル(Pa,Dha,Ni,S?a)によって、午前に 演奏されるのか、午後に演奏されるのかが決定されます。 例えば、あるラーガがプールヴァンガ ワディ スワルを持っていたら、すなわちSa,Re,Ga,Maのうちの どれかが、ワディ スワル(最も強調される音)だった場合、そのラーガはそれぞれの 時間割の昼12時から真夜中12時の間に演奏され、逆に、あるラーガがウッタランガ ワディ スワルを持っていた場合、そのラーガは時間割の真夜中12時から次の日の昼12時の間に演奏されるということです。 各時間帯に演奏されるラーガ名を挙げると、 午前7時−10時 =ラーガ ビラワルRaga Bilawal(ビラワル タータ) など 午前10時−午後1時= ラーガ トディRaga Todi (トディ タータ) ラーガ アサワリRaga Asawari(アサワリタータ) ラーガ ジョウンプリRaga Jounpuri (アサワリタータ)など 午後1時−午後4時=ラーガ ビンパラシRaga Bimpalasi (カフィタータ) ラーガ ムルタニRaga Multani(トディ タータ) など 午後4時−午後7時(サンディ プラカーシュ サマイ)= ラーガ プールヴィRaga Poorvi(プルヴィ タータ) ラーガ マルワRaga Marwa (マルワ タータ) など 午後7時−午後10時= ラーガ ボパリRaga Bhopari(カルヤン タータ) ラーガ シュッダカルヤンRaga ShuddhaKalyan (カルヤン タータ) など 午後10時−午前1時=ラーガ バゲシュリRaga Bageshri(カフィ タータ) など 午前1時−午前4時= ラーガ アダナRaga Adana (アサワリ タータ) ラーガ マルカウンスRaga Malkouns (バイラビ タータ) など 午前4時−午前7時(サンディ プラカーシュ サマイ)= ラーガ ラリットRaga Lalit (マルワ タータ) ラーガ バイラワRaga Bhairav(バイラワ タータ) など そしてもうひとつ、ラーガの演奏時間を決定する要素にマMa=Fの存在があります。 いくつかの例外を除いて、午前4時から午後4時の間に演奏されるほとんどのラーガ はマMa=Fの音を含んでいます。例外としてはラーガ ソハニRagaSohani (マルワタータ)、ラーガ ラムカリRaga Ramkali(カフィ タータ)、 ラーガヒンドールRaga Hindol(カルヤン タータ)、ラーガ トディRaga Todi(トディ タータ)があげられます。それに対して、午後4時から午前4時まで の間に演奏されるほとんどのラーガはティーブラ マTeevra Ma=F♯の音を 含んでいます。 ラーガの演奏 ラーガとは特定の音の上昇、下降を持つ作曲、即興演奏の為の規則です。各ラーガには その特徴を成す音の並び(メロディー)があり、それがラーガのアイデンティティー になっています。では実際にはラーガはどのように演奏されるのでしょうか。 ラーガを演奏する際、タンプーラ、といわれる各演奏家の基礎音階(PaSaSaS.a)を奏でる楽器と特定のタールを演奏する打楽器の伴奏が付きます。タンプーラの基礎音程はその演奏者によって異なりますが、男性の場合C、C♯、女性の場合、G〜Aが一般的です。そして、ラーガの演奏にはおおよその決まった順序があります。ここでは北インドの主流カヤル様式の、声楽についての順序を説明します。 (1) 演奏の順序 ?アラープ Alaap(伴奏なし) ?バンディッシュBandish (作曲されたもの)(伴奏あり) ?スタイ Sthay ?アンタラ Antara ?サダ アラープ Sada Alaap(伴奏あり) ?ボール アラープ Bol Alaap (伴奏あり) ?サルガム Sargam(サ レ ガ マ)(伴奏あり) ?ターン Taan (伴奏あり) アラープ Alaap アラープは前奏のことで、ここでは打楽器の伴奏は付きません。演奏者はその ラーガの特徴的なメロディーをゆったりと歌い奏で、そのラーガの雰囲気を 作り出します。声楽の場合はあまり長い時間歌うことはありません。 アラープではそのラーガの*1ワディスワル、*2サンワディスワル、 *3ニャーススワル(Nyaas Swar)が節目となります。旋律はこれら の音で長く留まり、次の旋律へと変わっていきます。これらの音はいわばジャンクションの役割をはたしています。 * 1:そのラーガの最も強調する音。 * 2:ワディスワルの4度ないしは5度の位置にある音。2番目に強調される音。 * 3:ワディ、サンワディスワル以外にそのラーガの強調される音。 ?バンディッシュ Bandish バンディッシュはそのラーガのあらかじめ作曲されたもの、のことをいいます。古くは18世紀にサダラング、アダラングによって作曲されたものから、演奏者自身が作曲 したものまで様々です。バンディッシュはそれぞれ特定のタール(リズムサイクル= 拍数)を基に作曲されており、演奏する際には、その特定のタールを演奏するタブラ等、打楽器の伴奏が付きます。バンディッシュは2つの要素で構成されています。 ?スタイ Sthay。スタイはオクターブの低い音階(SaからMa,Pa)を中心にして作曲されたもの。しかし、仮にそのラーガのワディスワル(最も強調される音) がMa,Paから上の音階の場合は、スタイも高い音階で構成されることがあります。 (ウッタランガ ワディ ラーガの場合) ?アンタラ Antara アンタラはオクターブのMa,Paから上の音階を使って作曲されたもの。第二楽章のこと。
インド古典音楽に関しては、バンディッシュはあまり長いものはなく、例えば スタイが2ライン、アンタラも2ラインぐらいが普通のサイズです。もっとも 作曲者によってはもっと長いものもあります。 声楽のバンディッシュにはメロディーと共に、歌詞があります。詩の内容は様々で 神々をたたえたもの、結婚に関したもの、恋愛に関したもの、祭りに関したもの、 等々。中世時代はイスラム帝国がインドを支配していたので、その時代には皇帝 や、アラーの神をたたえたものも数多く作られました。
?サダ アラープ Sada Alaap(伴奏あり) バンディッシュを一通り歌い終えたあと、打楽器が一定のリズムで伴奏するのに合わせて歌われます。これは即興演奏で、歌い手は各ラーガの特徴を表現し、最初は低い音階から徐々に高い音階へと使用する音を変えていきます。アラープは基本的にゆったりとしたテンポで歌われ、その際はアカ−ルAkaar(歌詞はなく、すべて“ア”の発音で歌われる)が用いられます。
?ボール アラープ Bol Alaap (伴奏あり) ヒンディー語のボールBolの意味は「言う、言葉」です。前述のサダ アラープが アカールで歌われたのに対して、ボール アラープはバンディッシュの歌詞を使って 歌う、即興演奏です。つまりバンディッシュの歌詞を作曲されたものとは違うメロディーで歌うことです。
?サルガム Sargam (伴奏あり) サルガムとはインド音階の名称(Sa Re Ga Ma )の頭文字をとって付けられました。文字通り歌詞の変わりにSa Re Ga Ma Pa Dha Niの 音名とその音を使って歌われる即興演奏のことです。この場合、アラープのような ゆったりとしたリズムよりも早いリズムで歌われます。
?ターン Taan (伴奏あり) ターンはスピーディーな連続した音のつながりのことをいいます。これは基本リズムの スピードの2,4,8倍等のスピードで歌われます。つまり、伴奏の打楽器が1拍叩く 間に、複数の音を歌うことです。例えば、16拍子のリズムサイクルで基本リズムが早い場合、
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